こんにちは。プラスチックカード印刷の専門店、バズ・プランニングです。
ファンを育成することで収益の安定化などの効果を狙う「ファンマーケティング」。
現代のビジネスにおいて重要な戦略として、その手法に注目が高まっています。本記事では、ファンマーケティングの概要や具体的な事例について詳しく解説します。
また、バズ・プランニング公式 X(@buzzcardJP)でも、ファンマーケティングの最新事例についてご紹介しております。
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(監修:中小企業診断士 中嶋健太 @buzzplanning)
目次
- ファンマーケティングとは何か?
- なぜファンマーケティングが注目されるのか?
- ファンマーケティングで得られるメリットとは?
- ファンマーケティングを成功に導く代表的施策
- ファンマーケティングが成功している事例とは?
- ファンマーケティング成功のポイント
- ファンマーケティングのまとめ
ファンマーケティングとは何か?
ファンマーケティングとは、一部の熱狂的な顧客、いわゆる「ファン」の存在を最大限に活かし、売上を増やしていく手法のことです。
マーケティング理論の中に「パレートの法則」と呼ばれるものがあります。「80:20の法則」 「2:8の法則」とも呼ばれ、「顧客全体の2割である優良顧客が売上の8割を占めている」という法則のことを指します。売上の8割が2割の顧客から生み出されていると認識できれば、その顧客を大切にすることが重要なポイントになります。
ファンマーケティングでは、新規でファンを獲得していくよりも、この20%の顧客とより多くのタッチポイントを持つことで、売上を最大化させていくことが大切です。
なぜファンマーケティングが注目されるのか?
ファンマーケティングが注目されている背景には、一体何があるのでしょうか。ここではその背景についてみていきます。
SNSの普及
WebやSNSなどメディアが多様化したことに伴い、情報収集の仕方にも変化があらわれました。
これまでの情報収集源というと、テレビや新聞、広告などが中心で、基本的には情報波及の仕方は一方通行でした。そのため、企業はファンを獲得するためにそういった媒体への発信を行うことをメインにマーケティングを行ってきました。
しかし、WebやSNSの急速な発展に伴い、ユーザーが情報を自ら探せるようになり、それに加えて情報発信もできるようになりました。つまり、情報の波及の仕方は一方通行から双方向になり、場所を問うことなく、情報の扱い方や波及の仕方が大きく様変わりすることになりました。
そしてこの変化に伴い、消費者は企業側が発信する情報だけでなく、口コミやレビューなどあらゆる角度から総合的に判断するようになりました。そして良いと思ったことは自ら積極的に発信するようになったのです。
総合的に情報が判断されるようになった以上、企業側はファンに良い情報をより多く発信してもらわなければなりません。ファンマーケティングに注目が集まっているのには、そういった背景があるのです。
ファンマーケティングで得られるメリットとは?
ファンマーケティングを実践することによって、具体的にどのようなメリットを得られるのでしょうか。
主なメリットを具体的にみていきましょう。
安定した売上を保つことができる
ファンマーケティングは、一部の熱狂的なファンに対しての施策です。
ファンはすでに企業やブランドの支持者であり、良質なリピーターとして容易に他社へ流出することは考えにくいです。
ファンが増えていけば、安定的な売上確保へとつながります。
広告宣伝費が抑制できる
ファンマーケティングに取り組むことで、広告宣伝費を抑えることができます。
ファンは自分の気に入っている商品やサービスをより多くの人に知ってほしいと考える傾向があります。企業が広告費を投じなくても、ファンが自発的に商品やサービスを宣伝してくれるのです。
そのため、マーケティング活動の効率化や相乗効果が図れ、広告宣伝費の抑制につながります。
ユーザーのニーズを把握できる
商品について発信するファンが増えることで、企業はユーザーの率直な意見や感想を把握しやすくなります。
商品のどのような面に満足しているのか、改善してほしい点はどんなところか、リアルな声を聞けるメリットがあります。
フィードバックが期待できる
SNSの拡散やファン同士の情報交換により、ファンからのフィードバックが獲得できます。
サービスの長所や短所、斬新な角度からの意見など、再発見にもつながるケースもあります。
その意見をもとに商品の開発やブラッシュアップを重ねることで、さらにファンに寄り添ったものになるでしょう。
ファンマーケティングを成功に導く代表的施策
ファンマーケティングの事例では、行政や大企業の事例を中心にご紹介しましたが、施策のエッセンスを理解すると、中小企業や個人事業でも活用できることが分かります。
ここではファンマーケティングの代表的な5つの施策をご紹介します。
1.会員優待サービスの設定
会員のみが利用できる特別なサービスを提供する施策が会員優待サービスです。
限定のセールや限定商品の提供といったサービスが該当します。会員になったメリットを感じられると同時に、自身が優遇されていると実感する要因となり、企業やブランドへの愛着をより深めてもらうことが可能です。
会員独自の優待は、モノのみならずコト、つまり体験してもらうタイプのイベントなども効果的です。
2.会員カードの発行
ファンや支援者に物理的な会員カードを発行し、お渡しする施策です。
特別なデザインのカードに、シリアルナンバーを印刷したり、お客様の氏名や顔写真を個別に印刷することで、企業や組織への愛着やロイヤルティを高めます。
物理的なカードをお渡しすることで、知人との話題にのぼったり、口コミに発展するきっかけを生みやすい効果があります。
会員カードの具体的な作成手順はこちらの記事で紹介しています。よろしければご覧ください。
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3.SNSでタッチポイントの拡大
SNSアカウントを通し、ファンとの交流を図る施策も有効です。
親近感が湧き、気軽に質問もできるといったメリットがあります。投稿のシェアやDMによるやりとりを重ねていく中で、顧客にとってその商品やブランドは他とは異なる特別な存在になっていきます。
SNSアカウントの作成や運用には比較的大きなコストがかからないため、初期投資を抑えて行えるファンマーケティングの施策です。フォロワーが増えていけば強力な告知媒体にもなるので、コストパフォーマンスに優れた施策です。
4.ファンコミュニティの開設
企業のファン同士が交流するための場を提供する施策です。商品のユーザーであると同時に、熱心な支持者が集まるため、そこでは商品に対するポジティブな意見が交わされる傾向が高いです。
ユーザーは他者の声を聞く機会を得ることができ、肯定的な意見を目にしていく中で、さらに企業への愛着や満足度を高めていきます。
5.クラウドファンディングの活用
ファンマーケティングと相性の良い施策として、クラウドファンディングの活用があります。
クラウドファンディングとは、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語です。「こんなサービスを作りたい」「世の中の問題を、こんなふうに解決したい」といったアイデアやプロジェクトを持つ起案者が、専用のインターネットサイトを通じて、世の中に呼びかけ共感した人から広く資金を集める方法です。途上国支援や商品開発、自伝本の制作など、幅広いプロジェクトが実施されています。
クラウドファンディングとファンマーケティングが相性の良い理由として、新たなファンの獲得に繋がる点があります。
クラウドファンディングは事業のビジョンに共感した支援者が資金を提供してくれる仕組みです。支援者の存在は、事業スタート後のファン獲得に繋がり、ブランドの知名度を高める効果も期待できるでしょう。また、無名の状態で事業をスタートする場合、銀行や投資会社から資金調達をするのは大変ハードルが高いものです。クラウドファンディングは、個人や事業者の想いや熱意に対して支援者が投資してくれるので、資金調達のハードルを下げることができます。
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・クラウドファンディングのリターン(返礼品)と活用事例
ファンマーケティングが成功している事例とは?
ここでは行政・企業におけるファンマーケティングの成功事例を挙げていきます。
事例① 岐阜県飛騨市
岐阜県の最北端にある飛騨市。観光地としても人気が高く、大ヒットアニメ映画のモデル地にもなりましたが、飛騨市の人口は2011年から2021年の10年間で約4,000人の人口が減少しており、髙齢化率39.7%の「人口減少先進地」です。
市では、このような状況下でも豊かなまちづくりを目指し、地域外の人との交流を目的とした「飛騨市ファンクラブ」を設立。
市と地域外の人の関わりを新しく生み出し、ファンとのつながりを創出しています。
飛騨市をPRするための名刺をプレゼントしたり、ファンクラブ限定のオンラインイベントを開催しており「飛騨市が好き」という共通のテーマで交流を深めています。
ファンクラブでは会員No.8000までの会員カードには楽天Edy機能を導入しており、買い物に利用すると0.1%相当額が楽天Edy(株)から飛騨市へ寄附されます。また会員カードで買い物することで楽天スーパーポイントが加算されるメリットも。このように買い物が飛騨市への応援につながり、より市への愛着が増していく仕組みになっています。
【この事例のファンマーケティング施策】
・ファンクラブの設立
・会員カードへの決済機能付与
・名刺のプレゼント
・ファンクラブ限定のオンラインイベント
事例② 東武鉄道
関東1都4県12の鉄道路線を運営している東武鉄道。オンライン上で交流でき、さらに遠方にお住まいの方にも楽しんでもらえるものをという思いから「東武鉄道公式ファンクラブ」が設立されました。
鉄道イベントの情報配信、会員間での交流をはじめ、映像・画像等デジタルコンテンツの配布販売や鉄道グッズの先行販売を行っています。
また、イベントの先行予約・優先入場や東武鉄道社員との交流会、オンラインツアーの開催などさまざまな様々な企画を行っています。
【この事例のファンマーケティング施策】
・ファンクラブの設立
・会員の優待
・鉄道イベントの情報配信
・東武鉄道社員との交流会
事例③ スターバックス
大規模な広告やテレビCMを活用することなく、SNSを駆使してファンを獲得したスターバックス。ファンマーケティングに成功している代表的な事例です。
SNSを宣伝と消費者とのコミュニケーションツールの一つとして捉え、新商品の販売の宣伝などを行っています。
スターバックスは、Instagramを利用した集客に成功している企業の1つで、InstagramやTwitterなどのSNSを広告の代替として機能させています。スターバックスによるInstagramに掲載する写真の特徴は、商品が主体のものではなく、商品を買うことで得られる価値を伝えるものが多く、より日常に溶け込ませるような写真を多く採用しています。
そしてスターバックスをより楽しむための会員制サービスとして「My Starbucks」を開設しており、一足早い新商品の情報やオンラインクーポンの発行など、会員限定サービスの利用が可能です。
【この事例のファンマーケティング施策】
・Instagramを活用した新商品告知、商品価値の向上
・会員制サービス「My Starbucks」の開設、オンラインクーポンの発行
事例④ カゴメ
「野菜生活」などで知られるカゴメは、会員制コミュニティサイト「&KAGOME」を開設しています。
写真やレビュー投稿のほか、オリジナルのレシピやモニター募集なども行っています。また、会員向けに抽選でトマトの苗をプレゼントする企画を行っていて、小さなお子さん向けに食育の機会を与えられるというメリットも。
CMで流れている「カゴメ、カ・ゴ・メ」というリズムが特徴的なサウンドロゴも「&KAGOME」の会員に対して人気投票を行い決定したもの。ファンにとっては自らの意見が反映された、一緒にブランドを高めたような気持ちになる取り組みを次々と打ち出しています。
【この事例のファンマーケティング施策】
・会員制コミュニティサイト「KAGOME(アンド カゴメ)」の開設
・CMのサウンドロゴをファン投票で決定
事例⑤ コメダ珈琲
喫茶店チェーン「コメダ珈琲」では、のファンコミュニティサイト「さんかく屋根の下」を開設しています。
掲示板やイベント、フォトコンテストなどに参加ができたり、オンラインイベントに参加して、交流を楽しむことができます。
【この事例のファンマーケティング施策】
・ファンコミュニティサイト「さんかく屋根の下」の開設
・オンラインイベントやフォトコンテストの実施
事例⑥ 無印良品
雑貨や家具などさまざまなジャンルの商品を扱う無印良品。
同社のファンコミュニティサイトが「IDEA PARK」です。 みんなで未来の無印良品を考える共創コミュニティとして、商品に関して、リクエストを投稿できたり、他の人が投稿したリクエストに対して「良いね」ボタンを押したり、コメントを投稿して応援することができます。
ユニークな点は、商品の開発や改良の意見を書き込んでもらうことに特化している点です。集められた声は週に1度の社内会議で議論され、リクエストに返信する形で商品開発の裏のステータスや発売の予定など全て公開されています。
【この事例のファンマーケティング施策】
・ファンコミュニティサイト「IDEA PARK」の開設
・商品に関してリクエストの投稿ができる
事例⑦ 小岩井乳業
生乳100%ヨーグルトや純良バターなど、乳製品の製造・販売を行っている小岩井乳業。
商品についての意見、要望、感想を商品名とかけて「生声(なまごえ)」と呼び、専用フォームからの投稿やTwitterで随時募集、紹介しています。
【この事例のファンマーケティング施策】
・ユーザーの声を「生声」として専用フォームやTwitterで募集
ファンマーケティング成功のポイント
ここまでファンマーケティングの手法について紹介してきましたが、ファンマーケティング施策の成功を定義して取り組まなければ、徒労に終わってしまいます。
ファンマーケティングの成功ポイントを3点定義して、以下にまとめます。いずれかの視点で目標設定をしていく事をおすすめします。
既存顧客の売上アップ
1回購入しただけのお客様は、まだまだ企業やブランドのファンとは言えません。
複数回に渡る商品・サービスの購入を通じて、ファンに育成していく事が必要です。
その為に、次に購入できる商品・サービスを用意する商品戦略が重要なポイントです。
具体的には以下のような視点です。
- 定期的な新商品の発売
- ハイエンドモデルの作り込み
- コーディネート商品のラインアップ
- オプション、周辺機器の充実
- 定期購入モデル・サブスクモデルの導入
認知拡大効果
ファンを育成する事で、ユーザーの発信力を活用したマーケティングが可能となります。
熱心なファンは、能動的に好きな企業やブランドについて、SNSや口コミを通じて言及してくれます。
また、SNSを中心に話題になる事で、マスメディアへの露出も期待できます。マスメディア露出を広告費換算する事で成果判断とする事も可能でしょう。
具体的には以下のような視点です。
- オーナー限定イベント開催によるマスメディア露出
- ユーザーがSNS発信しやすいような企画、ハッシュタグの設定
- ユーザーの発信(UGC)を公式媒体で活用
- ユーザーが知人、家族へ紹介しやすくなるような制度設定
既存顧客とのエンゲージメント強化
ユーザーへの「報い」を設計をする事で、既存顧客とのエンゲージメントの向上を図ります。それにより、いちユーザーがファンになっていく後押しをします。
具体的には以下のような視点です。
- 購入金額に応じたポイントアップ制度
- 特別イベントへの招待
- 限定商品の優先購入権付与
- クローズドなファンミーティングの開催
ファンマーケティングのまとめ
今回はファンマーケティングの基礎知識やメリット、成功させるための施策について解説しました。
ファンマーケティングはファンを作り、ファンの力でビジネスを成長させる手法で、安定的な経営に繋げることができます。これからさらに安定的な経営を目指し、売上を向上させたいと考えられている方にはおすすめのマーケティング手法となっています。ぜひ取り入れてみてください。
特に上記でご紹介した5つの施策はファンマーケティングの設計を行う上で取り入れやすい内容です。
・会員優待サービスの設定
・会員カードの発行
・SNSでタッチポイントの拡大
・ファンコミュニティの開設
・クラウドファンディングの活用
なお、会員カードを活用して優良顧客を育む方法については、以下の記事でも解説しています。こちらもぜひチェックしてみてください。
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