こんにちは。プラスチックカード印刷の専門店、バズ・プランニングです。
普段作成している印刷物に「FSC®マーク」を付けることで、環境保護活動に取り組むことができることをご存じでしょうか?
また、「そもそもFSC®マークって何?」と疑問に思う方や、「導入のハードルが高いのでは?」とお思いの方もいらっしゃるかと思います。
そこで本記事では、FSC®マークの種類やメリット、FSC®マークのついた商品事例をご紹介します。ぜひ最後までお読みください。
目次
FSC®とは?
FSC®(Forest Stewardship Council®)とは、世界中の森林が急速に破壊されている状況を食い止めるために、1994年に26カ国の環境NGO・林業者・林産物取引企業・先住民団体などが中心となって設立されました。
現在はドイツのボンに国際事務局を置き、世界49 カ所の現地事務所が、環境保全の点で適切かつ社会的な利益にかない、経済的に継続可能な責任ある森林管理を普及させることを目的に活動している団体です。
参考:FSC® Japan『パンフレット』
FSC®認証制度とは?
FSC®認証制度とは、FSC®が評価・認証する森林認証制度のことです。
FSC®認証制度は、FSC®が定めた規格をもとに、適切に管理されていると認められた森林から生産された木材や、その木材を使用した製品にFSC®ラベルを付け、認証製品として販売できる制度です。FSC®ラベルを目印に認証製品を選んで購入することで、認証された森林資源への需要が高まり、適切に管理された森林の拡大につながる制度です。
FSC®認証は2つの形態があります。ここではその2つについてご紹介します。
①FM認証(Forest Management Certification)
1つめは、FM認証(Forest Management Certification)です。
森林の経営や管理を対象とした認証で、規格には、法律の順守や社会的に高い保護価値が守られているかなどの10の原則、70の基準、その下に約200もの指標があります。
この規格に沿って審査を受け、大きな不適合がなければ認証を受けることが可能です。
参考:FSC® Japan『FM認証(FM国内規格策定)』
②CoC認証(Chain of Custody)
2つめは、CoC認証(Chain of Custody)です。
加工・流通過程の管理を対象とした認証で、認証原材料や製品がそうでないものから分別され、識別されているか、使ってもよい原材料の種類や量が規定を満たしているか、適切な表示をつけて取引されているか、記録はきちんと残されているか等が審査されます。
CoC認証の対象となるのはFSC®認証製品の所有権をもつすべての組織であり、これには伐採業者、加工業者、製造業者、流通業者、印刷業者などが含まれます。
参考:FSC® Japan『CoC認証』
FSC®マークを導入するメリット
FSC®マークを導入するメリットは、第一に企業の環境保護活動を広く社内外にPRすることができます。
信頼できる企業として社会的評価のアップにつながるでしょう。
また、SDGsへの取り組みの一環として位置付けることも可能です。
別記事にて、中小企業ができる環境保護活動の取り組みをご紹介しています。こちらも合わせてお読みください。
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FSC®認証取得のための5ステップ
企業がFSC®認証を取得するためには、5つのステップが必要です。その手順は、下記の通りです。
①FSC®認証機関への問い合わせ
まず最初にFSC®認定の認証機関に問い合わせを行い、費用や審査期間の見積もりをもらいます。
②認証機関の決定
次に認証機関を決め、FSC®認証取得についての条件や手順などの説明を受けた後、決定した認証機関と契約を取り交わします。
③認証機関による審査
その後、認証機関から派遣された審査員により、FSC®認証規格に適合しているかどうかの審査が行われます。
管理体制や手順、使用伝票の確認だけでなく、担当者へのインタビューも行われます。
④認証機関による認証判断
審査の結果、FSC®規格の要求事項が満たされていると判断された場合、認証機関が認証発行を決めます。
なお、不順守がある場合、一定期間に改善されないと認証発行はされませんので注意が必要です。
⑤FSC®認証取得
認証機関により5年間有効な認証書が発行され、FSC®商標(ロゴなど)を手順に従い使用が可能になります。
認証を維持するためには、毎年一回認証機関による年次監査を受ける必要があります。
参照:FSC® Japan『認証を取得するには』
FSC®ラベルの種類
FSC®ラベルとは、FSC®ロゴや、FSC®ウエブサイトアドレス、ラベルタイトル、製品タイプ、ラベルテキスト、FSC®ライセンス番号等で構成されたものです。
認証原材料の配合の違いによって、ラベルの種類が下記の3種類に分けられており、ラベルタイトルにそれぞれのラベルの種類が記載されています。
①FSC®100%ラベル
FSC®100%ラベルの製品は、FSC®認証森林からの資源を100%使用している製品につけられます。
②FSC®ミックスラベル
FSC®ミックスラベルは、FSC®が認めている適格な原材料(FSC®100%、FSC®ミックス、FSC®リサイクル、FSC®管理木材、回収原材料)が複数使用されている製品に付けられます。
適格な原材料間には優劣が付けられており、例えばパーセンテージシステムに基づいて生産される製品の場合、FSC®100%等の優位な原材料が70%以上使用されなければFSC®ラベルは付けられません。
③FSC®リサイクルラベル
回収原材料を100%使用している製品に付けられます。
木材製品の場合は、回収原材料の70%以上がポストコンシューマー(きちんと消費者の手に渡り、使用されてから回収された原材料)である場合に付けられます。
参照:FSC® Japan『FSCラベルの種類』
FSC®ラベル配置の注意点
FSC®ラベルのサイズ
FSC®ラベルは、縦型と横型があり、縦型ラベルは横幅が9mm、横型ラベルは縦幅が6mmが最小サイズとして指定されています。
FSC® ラベルの色
標準色は、緑、黒、白です。緑色はPantone 626Cです。
印刷物に標準色が使用されない場合、FSC®ラベルは明瞭なコントラストを示す限り、使用可能な色で印刷できます。十分なコントラストが確保されていれば、FSC®ラベルは色付きの背景上で使用することもできます。
FSC®商標の配置
FSC®ロゴ、ラベルやマークは、商標デザインに干渉する写真や強い模様のついた背景上に配置することはできません。
また、認証対象を誤解させるような配置も認められません。
以下のような使用は認められていません。
- 枠線を丸くしたロゴの使用
- 他社のブランドロゴと組み合わせロゴの使用
- 模様のついた背景上にロゴを配置することが禁止されています。
参考:FSC® Japan『認証取得者のための商標クイックガイド 2018年3月』
印刷物にFSC®ラベルをつけるには?
FSC®認証紙を使った印刷物に、FSC®ラベルをつけるには、紙だけではなく、木材の伐採から製品に至るまでの全工程(生産・流通・製造・管理)に関わる企業が認証を取得している必要があります。
また、FSC®ラベルにはライセンス番号が入っていますので、印刷物にFSC®ラベルを付ける場合は、FSC®認証を取得している会社で印刷・加工する必要があります。
FSC®ラベルの入手方法は?
印刷物の場合は、CoC認証を取得している印刷会社からFSC®ラベルのデータを入手することが可能です。
FSC®マークを使用する場合、実際の印刷に入る前に認定第三者機関の審査を受ける必要があります。
審査には約10営業日かかります。
FSC®ラベルの入った印刷物を作成するには、FSC®のCoC認証を受けた印刷会社にご依頼ください。
FSC®ラベルがついた商品事例5選
現在では、多数の企業や組織がFSC®認証を取得しており、さまざまな商品にFSC®ラベルが付けられています。
その中から、FSC®ラベルがつけられている商品や、取り扱っている企業を5つご紹介します。
①スターバックス
スターバックスは環境負荷の軽減策を考える中で、2013年よりペーパーカップ、ペーパーバッグやデザートを持ち帰るときのボックス、ペーパーナプキン、レシート、ストローなどにFSC®認証製品を使用しています。
それだけでなく、私たちが普段目にしない業務用のミルクパックやソイミルクのパックなど、幅広い紙製品にFSC®認証紙の導入を進めています。
参考:スターバックス
- 『森も人も持続可能に。スターバックスが選んだ「FSC®認証」とは?』
- 『スターバックス国内店舗で、2021年9月より順次フラペチーノ®を FSC®認証紙ストローで提供 店舗で提供するすべてのストローが紙製に』
- 『アイスコーヒー・アイスティーのFSC®認証紙カップとストロー不要リッドでの提供を(プレスリリース(2021/02/09))』
②森永乳業
森永乳業が販売する「ピクニック」は、日本で初めてFSC®認証付きの紙パックが採用された飲料です。
2013年に日本テトラパック株式会社が、国内工場でFSC®認証を取得したことで可能になりました。
また、森永乳業では、「持続可能な原材料調達」の目標として、2024年度までに『FSC認証等環境配慮紙使用割合 100%』の目標を掲げており、多くの商品にFSC®ラベルが付けられています。
参考:森永乳業『資源と環境』
③カゴメ
カゴメでは、2014年9月よりFSC®ラベルのついた紙パック飲料を導入し、現在では「野菜生活100シリーズ」や「野菜一日これ一本」など、200mlの紙パックすべてにFSC®ラベルが付けられています。
参考:カゴメ『世界の森林保全を応援!カゴメのFSC®認証紙パックについて~SDGsと関連したカゴメの取組②』
④無印良品
無印良品では、木製品、紙製品に対し、クリーンウッド法をはじめ、店舗展開する各国・地域の環境法令に沿って、合法的伐採について調査、並びに自己評価(木材デューデリジェンス)を実施しています。各種証明書コピー(FSC・PEFC・公的機関発行書類など)や購買・輸送履歴確認書類のコピーを収集し、違法伐採にかかわる木材を使用しないよう努めています。
また、2021年秋冬商品から再生紙を含むFSC®紙を使用した紙製タグピンに順次変更するという取り組みを行っています。
参考:株式会社良品計画
⑤ネピア
ネピアは、2011年からトイレットペーパーやティッシュペーパーなどの主要商品にFSC®認証紙を採用しています。
また、持続可能な森林運営として国内外で植林活動を展開しています。
参考:ネピア『あなたとネピアで森を守る。FSC®』
選ぶなら環境配慮型商品を
FSC®マークのついた商品を選択することは、持続可能で適切な森林管理を世界に広める活動の支援につながります。
弊社の取り扱い商品であるプラスチックカードにおいてはFSC®マークをつけることはできませんが、環境配慮型の商品として「SDGsパック」をご用意しております。
リサイクルPVCカード | バイオマスカード | 再生PETカード | |
カードの厚み | 0.76mm厚 or 0.5mm厚 | 0.3mm厚 | 0.25mm厚 |
材質 | 硬質PVCフィルム | バイオマス樹脂 | 再生PET樹脂 |
使用可能なロゴマーク | SDGsマーク、リサイクルマーク | SDGsマーク | PETボトル再利用品マーク |
印刷方法 | オフセット印刷 | ||
最小発注ロット | 1,000枚 | ||
可能オプション |
|
※サインパネルオプション無しでボールペンでの書き込みができます。 |
≫まずはカードサンプルを請求する(無料)※SDGsパックご希望の方はメッセージ欄に「SDGsパック」とご記載下さい。
①リサイクルPVCカード
- 原材料は、EU内の産業廃棄物より製造された「99%リサイクル原料」を使用した硬質PVCフィルム 。
- 契約工場のまだ製品化されていない、廃棄対象となっている材料のみを使用。
- 製品の安定性が非常に高く、高品質を求められる用途にも利用可能。
②バイオマスカード
- バイオマス樹脂で、地球温暖化対策に貢献。
- 二酸化炭素の排出量を削減。
- 通常の紙とは違い、原料に木材を一切使用せず、製造工程では水をほとんど使わない。
③再生PETカード
- 一部にPETボトルの再生素材を活用、石油由来原材料を抑制。
- 従来からの定番仕様で、メンバーズカード、診察券などに多数採用。
リサイクルPVCカード、バイオマスカード、再生PETカードの製品は、環境負荷に配慮したカード素材として、券面にSDGsロゴをレイアウトできます。
企業のサステナブルな取り組みをアピールすることができるため、SDGsに賛同する大手企業や、エシカルなブランドコンセプトを持つ企業から、多くの引き合いをいただいております。
詳しくはこちらをご覧ください。
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