こんにちは。プラスチックカード印刷の専門店、バズ・プランニングです。
医療現場で患者やその家族が医療従事者に対し、暴言や迷惑行為を行う「ペイシェントハラスメント(ペイハラ)」が問題視されています。
常識の範囲を超えた言動や要求など、ペイシェントハラスメントを受けると本来行うべき業務に支障が出てしまい、診療環境の悪化を招く深刻な課題となっています。
本記事では、ペイシェントハラスメントの概要や事例、対策について解説します。
目次
- 「ペイシェントハラスメント」とは?
- 「ペイシェントハラスメント」の事例
- 医師の「応招義務」とは?
- 「ペイシェントハラスメント」を防ぐには?
- 「ペイシェントハラスメント」が起きてしまったら?
- 「ペイシェントハラスメント」対策にグッズの活用もおすすめ
「ペイシェントハラスメント」とは?
「ペイシェントハラスメント」とは、医療現場で患者やその家族、関係者が医療従事者に対し、暴言や暴力、理不尽な要求や不当な要求、セクシャルハラスメントなどのことです。
「Patient(ペイシェント)」は、英語で「患者」「病人」を意味し、「Harassment(ハラスメント)」は、「迷惑をかける」「嫌がらせをする」ことを意味します。
ペイシェントハラスメントを受けると本来行うべき業務に支障が出てしまい、他の患者さんにも影響が及びます。
また精神的に大きなストレスを抱えて離職してしまう医療従事者も少なくありません。
どうやってペイシェントハラスメントを防ぎ、対処するかが、医療業界における重要な課題の一つになっています。
「ペイシェントハラスメント」の事例
「ペイシェントハラスメント」の主な事例は
- 殴る、蹴る、物を投げつけるなどの暴行、暴力
- 暴言や嫌がらせ
- 性的な言動や行為
- 土下座や謝罪の強要
- 診療費の不払いや金銭補償の要求
- 不必要に身体を触るなどのセクシャルハラスメント
- 無許可での動画撮影
- インターネット・SNSでの誹謗中傷、脅迫
- 医療従事者へストーカー行為
などが挙げられます。
最近も、医療関係者に暴力を振るったとして逮捕された芸能人の話題がありましたが、最悪のケースでは、2021年12月に大阪市で男が通院先のクリニックを放火し26人が犠牲になった事件や、2022年1月に埼玉県ふじみ野市の住宅で、男が母親の担当医らを呼び出し散弾銃を発砲、医師が死亡する立てこもり事件なども起きています。
医師の「応招義務」とは?
ペイシェントハラスメントに対処するために、医師の「応召義務(おうしょうぎむ)」について理解しておくことも大切です。
「応招義務」とは、医師法第19条で「診療に従事する医師は、診察治療の求めがあった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない」と定められているものです。
しかし裏を返せば、「正当な理由」があれば診察や診療を拒否しても、違法には当たらないということです。
厚生労働省の『応招義務をはじめとした診察治療の求めに対する適切な対応の在り方等について』によると、以下の項目が重要な考慮要素として挙げられています。
- 患者について緊急対応が必要であるか否か(病状の深刻度)
- 診療を求められたのが、診療時間(医療機関として診療を提供することが予定されている時間)、勤務時間(医師・歯科医師が医療機関において勤務医として診療を提供することが予定されている時間)内であるか、それとも診療時間外、勤務時間外であるか
- 患者と医療機関・医師・歯科医師の信頼関係
「患者からの迷惑行為」「 医療費の不払い(支払能力があるにもかかわらず悪意を持ってあえて支払わない場合等)」等の行為は、患者と医療機関・医師・歯科医師の信頼関係を構築できない行為にあたり、診療を行わない「正当な理由」として認めらています。
参照:厚生労働省『医師の応召義務について』
『応招義務をはじめとした診察治療の求めに対する適切な対応の在り方等について』
「ペイシェントハラスメント」を防ぐには?
では「ペイシェントハラスメント」を防ぐにはどうしたらいいのでしょうか?
迷惑行為に対する医療機関としての基本的な考え方の明示
医療機関として迷惑行為には毅然とした対応で取り組むという方針を立て、管理者が現場の医療関係者に周知します。
また、ホームページに告知文を掲載したり、「診療をお断りする」、「警察に通報する」といった内容のポスターを掲示したり、書面などで患者への周知をするのも有効です。
管理体制の整備
管理者が具体的な管理体制を整え、現場の医療関係者がこの体制の下で、備えをします。
具体的には、
- ペイシェントハラスメント事例の分析
- 規定、指針・マニュアルの整備
- 職員研修の実施
などを行い、全職員に対応方法を共有しておくことが大切です。
参照:厚生労働省『医療従事者の勤務環境の改善について その他 医療現場における暴力・ハラスメント対策』
「ペイシェントハラスメント」が起きてしまったら?
実際に「ペイシェントハラスメント」が起きてしまった場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。順にみていきましょう。
暴言や暴力等の迷惑行為の発生時
- 落ち着いて毅然とした態度で臨む
- 複数人で対応する
- 被害者が要る場合、迅速に、身体・精神の両側面から被害の回復に向けた対応をとる
例えばクレームを受けた場合、まずは落ち着いて対応しましょう。患者さんの話を傾聴した上で「確認してまいります。少々お待ちください」と伝え、一旦その場を離れるのも有効策です。時間が空くことで患者さんが冷静になる場合があります。
また、必ず応援を呼び、複数人で対応しましょう。暴力を振るう患者さんの場合も、1人で対応するのは大変危険ですので避けてください。万一の際はすぐに相談できるよう、警察や弁護士など外部との連携や関係構築も必要です。
被害者に対するケアも重要で、相談できる体制を院内に構築しておくのも重要です。
暴言や暴力等の迷惑行為の発生後
- 現場を保存する(写真撮影、録音、録画、関係者へのヒアリング)
- 原因を究明する(質的・量的分析)
- 再発防止策を検討する
- 警察へ被害届を出す(法的に問題がある行為)
- 加害者に対する損害賠償請求をする(法的に問題がある行為)
再発防止策の検討は、医療機関にとって同じ行為を繰り返さないため、とても重要です。
発生した迷惑行為の原因を「患者側にのみ原因があったと評価できる場合」なのか「患者側とともに医療側にも原因があったと評価できる場合」なのか「根本の原因は、むしろ医療側に原因があったと評価できる場合」なのかを究明し、再発防止策を検討します。
参照:厚生労働省『医療従事者の勤務環境の改善について その他 医療現場における暴力・ハラスメント対策』
「ペイシェントハラスメント」対策にグッズの活用もおすすめ
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安全・安心して働くことのできる職場環境のため、このようなグッズを上手く活用してみてはいかがでしょうか。
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なお、別記事にてクリニックの開業準備や事業承継について解説しています。こちらも合わせてお読みください。
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