こんにちは。プラスチックカード印刷の専門店、バズ・プランニングです。
以前、PVCカード、PETカードについて解説しました。

今回はプラスチックカードの素材のひとつである「PETGカード」についてご紹介いたします。
「そもそもPETGカードとはどういったもの?」という疑問をお持ちの方や、「PETカードとはどう違うの?」とお思いの方、ぜひ素材選びの参考にしてみてください。

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目次

  1. PETG(ペットジー)カードとは
  2. PETとPETGは異なる素材?
  3. PETGが普及した背景とダイオキシン問題
  4. PETGカードの用途と特徴
  5. PETG素材のメリット
  6. PETG素材のデメリット

PETG(ペットジー)カードとは

PETGカードとは、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETG, Glycol-modified PolyEthylene Terephthalate)を基材として使用したカードです。

PETGは、ペットボトルの材料となる、ポリエチレンテレフタラート (PET)の素材の一種で、A-PET(非晶性ポリエチレンテレフタレート)の経年変化による結晶化の防止を目的として、エチレングリコールの3〜4割をシクロヘキサンジメタノールに置き換えたものです。
耐熱温度は200℃程度で、透明性・強度・成形性は高いものの、耐候性が低く紫外線で劣化しやすいため屋外に設置する設備での使用には向いていない素材です。

燃やしても有害ガスが発生しないため、環境に配慮された素材として、健康保険証、公共施設等の入館許可証や、図書館の利用券などのカード素材に使われています。

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PETとPETGは異なる素材?

前述したとおり、PETGはPET素材の一種です。

PET素材を融解状態から急冷したものが、A-PET(非晶性ポリエチレンテレフタレート)、徐冷したものがC-PET(結晶性ポリエチレンテレフタレート)になります。

A-PETは、しなりやすく柔軟な素材ですが、長期間の使用や熱履歴で非晶部分がゆっくりと結晶化し、経時変化を起こすことがあります。
密度変化により内部応力を生じてポリマー鎖を切断するため、柔軟性、耐衝撃性、強度などが低下していく場合があるため、PET樹脂中のEGの30~40%程度をシクロエヘキサンンジメタノールで置き換えたポリマーが考え出されました。これがPETGです。

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PETGが普及した背景とダイオキシン問題

今は改めて見直されていますが、ダイオキシンの問題が取り沙汰された1990年代以降、塩化ビニル樹脂素材は焼却時に発生する、ダイオキシンや塩ビモノマーなどが及ぼす環境・安全面での影響が懸念されました。
当時、他樹脂への代替が進み、燃やしても有害ガスが発生しない、A-PETが使われだしました。

しかし現在の科学的知見では、プラスチック単体の完全燃焼では、ダイオキシンのような有害物質は発生せず、炭素・酸素・水素・塩素が熱せられる過程で発生する可能性があり、廃棄物を焼却すると有害物質を含む排ガスを生じますが、人の健康に影響する量ではないという見解が一般的です。

弊社としては、プラスチックカードの用途で原材料費の高い、PETG素材を採用するメリットは少ないと考え、代替素材として通常のPVCカードリサイクルPVCカードをおすすめしています。

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PETGカードの用途と特徴

素材としてはPETに近く、ダイオキシン問題に対応した環境配慮型のカードという点もあり、健康保険証、公共施設等の入館許可証や、図書館の利用券などに使われています。

PETGカード自体はJISおよびISOの磁気プラスチックカード規格に準拠しているため、既存の処理機(磁気カードリーダ、ATM、CD等)を変更する必要がありません。
また、既存のカードプリンタによって可変印刷をすることができます。PETGとPVCカードは同じ厚みであるため違いがわかりにくいのですが、PETGの方がPVCより若干柔らかいという特徴があります。

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PETG素材のメリット

ここではPETG素材のメリットをご紹介します。

耐衝撃性が高い

PETGの耐衝撃性は、アクリルの4~5倍です。

透明度が高い

PETGはアクリル並みの透明性を持っています。機械部品のカバーやプライスカードホルダなどにも使われています。

耐熱温度が高い

A-PETの耐熱温度が75℃程度なのに対し、PETGの耐熱温度は200℃程度と高く、耐熱温度が高い性質や強度の高さを利用し食器洗い機を多用する外食業界向けにガラス製品の代用として採用されています。

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PETG素材のデメリット

ここではPETG素材のデメリットをご紹介します。

耐候性が低い

PETGは耐候性(日光や雨などの天候がもたらす要因に対する耐久性のこと)が低く、紫外線により劣化が進行しやすい性質があります。著しい特性の低下、色調の変化などが生じるため、屋外で長期間使用する用途には不向きです。

カードは基本的に屋外で長時間使用することは少ないので、プラスチックカード素材としてのデメリットとはならないでしょう

コストがかかる

PETG素材は原材料費が高く、一般的なプラスチックカードより単価が高くなっています。

弊社としては、プラスチックカードの用途で原材料費の高い、PETG素材を採用するメリットは少ないと考え、代替素材として通常のPVCカードリサイクルPVCカードをおすすめしています。

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2023年3月20日 4:28 pm Published by

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This post was written by Buzz planning